出会うんじゃなかった

その人は、娘の好きなボカロPとして認識していた。娘とカラオケに行けば絶対聴く羽目になるから、ミクちゃんの声で聞いたことがない。
バンドもやってる、くらいの認識だったように思う。まあ、要するに古かったのだ情報が。
去年のある日、たまにしか書かないけど真心こもってて丁寧な文章を書く人が、ぽつんとブログに「友だちが死んじゃったよ。」と書いた。その人はプライベートを書かない人だから、珍しいなあ、と思った。でもその人はそれ以上書かない。

つまり、私の大好きなひとの友だちは、娘の大好きなボカロP(バンドマンでもある)だった。

ボカロ界の当時の慟哭は凄まじかった。ライブでミクちゃんと一緒に歌いまくって… 

それでも、私はなんとなくその人のバンド〜「ヒトリエ」という〜を聴かないように過ごした。なんとなく聴いたら何かが弾けるような気がしていたから。

今日、ちょっと機会があって、聴いてしまった。


聴くんじゃなかった。
あんなに命を削るような曲を書いてたらそりゃ長くは生きられないわ。
まさしく血反吐を吐きながら曲を作り、歌っていたのだ、彼は。

あんなものすごい曲をどうして作り続けたのか、なにかからの解放を求めていたのか、もう私にはわからない。

ただ言えることは、彼の新作は聞けないということと、どうしても音源がほしい、ということだった。「ヒトリエ」のベスト・アルバムがちょうど出るので、予約した。

─彼の名は、wowakaという。享年31歳。

ちゃんと聴き直しますね。




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