伊沢がキリンジの大好きな曲を解説していたので

伊沢の曲解説の引用第2回(確か前回は「シュガーソングとビターステップ」)です。

大好きな曲が紹介されていたので思わず記事にします。


題材はキリンジ「千年紀末に降る雪は」。初期キリンジの中でもなかなかに難解(歌詞も曲も)です。私は昨今の「エイリアンズ名曲よねー」という風潮よりも、こういう曲聴いてくれよ!と思う古参です。

さて

堀込高樹らしい難解さです。

伊沢が頑張って解説していた内容とほぼ私も同意なのですが(星野源のトナカイ目線というのはちょっとよく分からない)
この曲がなんともさみしいのは、何しろ「千年紀末」つまりミレニアムの終わりの曲だからだと言うのが前提にあると思います。

千年紀というのはもともとはキリスト教の千年王国とかが元なので、ミレニアムってとても「時代の終わり」感が凄かったんですよ(日本はそうでも無い騒いでいた)。

キリスト教というのとサンタクロースというのとが両方合わさっての意味だと思います。

サンタクロースもね。黒いサンタと赤いサンタといて、悪い子にはお仕置していたのに、なんか某赤い飲料水メーカーの陰謀で赤い服着せられちゃって。

そしてさらに勝手に背が高いとか言われたせいで、「意外と背は低い」と否定から入ります。

「ごらん神々を祭りあげた歌も、貶める言葉も今は尽きた」
キリスト教での曲がもう歌われず、かと言っていろんな宗教革命が起きるほどの気合いももうない現代のことだとおもいます。

地べたをトナカイのそりで移動するので歩行者天国は通れないし(そもそも軽車両扱いだから車道を通るわけで、歩行者天国以外もとても他の車に迷惑です)

「玩具と引き換えに都市が沈む」伊沢も書いていたところですが、これってもう当時温暖化が問題になっていたってことですよね。
玩具は工業製品ですから二酸化炭素を出します。温暖化の元です。

一方、伊沢はこれはサンタ目線の曲と言っているのですが、私は「サンタになりたいおっさんの歌」のような気もするんですよね。
サンタ(騒ぎ)を冷めた目で見ている本人のところにはおもちゃが欲しい子どもからの手紙も来ないし(子どもがいない=家族がいない)暖炉の火を守る人もいないわけです。

だからホテルに泊まったりして。

ちなみに伊沢はここまでで歌詞の引用をやめていますが
このあと
「知らない街のホテルで静かに食事
遊ばないかと少女の娼婦が誘う
冷たい枕の裏に愛がある」
と続きます。

これがサンタクロースだったら生々しくて嫌だし、「サンタって報われないよな」と斜に構えたモテないおっさん目線、であってほしいと私は思います。

だって、「意外と背は低い」ってそういうことでしょう?
(誰かの恋人=サンタクロースなら、背は高いはず)


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